
1990年代のはじめに自身のブランドを創設して、瞬く間に脚光を浴びるようになったスーパースターがフランクミュラー。独立時計師がブランドを展開する例は今や珍しくなくなったが、フランクミュラーはその先駆けだった。幼い頃から機械に特別な興味を抱いていた彼は、ジュネーブ時計学校に進み、主席で卒業。独立時計師として、トゥールビヨン、ミニッツリピーター、パーペチュアルカレンダー、スプリットセコンドなどを組み込んだ腕時計を製作して世界初の記録を次々と樹立し、その天才ぶりがブレゲの再来と絶賛された。伝統的な複雑機構を巧みに組み合わせた彼の独創的なモデルがスイス時計産業に与えた影響も計り知れない。